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ロコモコ閲覧用ブログ

このブログはサイト「magic of sweet Love」の 企画ブログです。分からない方は回れ右でお願いします。

2024'05.19.Sun
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2007'05.20.Sun
気付けばまたページ全部がイラストに・・・(汗)
慌ててストックを引っ張り出してみるのでした。




忙しい。そう思う間も無く時間は過ぎる。
数えれば過ぎる早さに目眩がするから時計も見ない。けれど周りが刻一刻と過ぎる時間を教えてくれる。
教えて欲しくもないのだが。

「課長!もう10時です。先方がもうお見えになります、急いで下さい!」
「そろそろ1時です、課長。部長からの書類が」
「申し訳ありません、課長。スケジュールでどうしても調整がつかない所がありまして、3時までに調整を」
「課長、部長より伝言です。5時に会議室へとの事です」

どいつもこいつも・・・。
ふつふつと沸き起こる苛立ちを押さえながら真琴はずり落ちそうになる眼鏡をきゅ、と指先であげた。

原崎真琴。
今年課長になんぞ昇進してしまったとある大企業のサラリーマンだ。
戦闘着はスーツ。但し良い物は要らない。丈夫で動きやすい物が真琴の戦闘着になる。
今日だってそうだ。面白みの無い黒のスーツに淡いピンクのシャツ、灰色のネクタイ。一応見かけだけはそれなりだが、これは真琴が選んだのでは無く同居人がうきうきしながら選んだものだから、選んでくれたままに着ているだけだ。
その同居人とも時間が擦れ違い気味でもう一週間も顔を見ていない気がする。会いたい、とは思わないがそれでも少々寂しい物がある。何せ真琴の同居人は一応曲がりなりにも恋人、と言う位置にいる奴なのだから。

「・・・はぁ」

見たくも無いが既にデスクの半分は書類の山に埋もれて全てが今日中に処理しなければならない物達で。

「今日も終電、か」

思わず零れ落ちた愚痴に、それでも忙しいフロアは気付かず、次に真琴が時間を思い出したのは退社時刻が少々過ぎたあたり。部下が書類を引き上げて行ったら何故かデスクの書類が一枚もなくなっていたのだ。

「奇跡だ」

呆然と呟く真琴に部下が笑う。確かに仕事量は多いが真琴は手が早いと評判のデキル課長なのだ。
いや、だからこの若さで課長になったのだろうと言われているのだが。

「課長、今日はもうお帰りになったらどうです?毎日残業でしたしお疲れでしょう?」
「そうだな・・・そうするか」

まだ夕食前。こんな時間に帰る事が出来るのは真琴にとっては奇跡も同然。
部下に笑われつつもそそくさと帰る準備をし退社した。
のだが。

「そうか、僕が帰っても亮也は居ないんだっけな」

そう。真琴の同居人、亮也は夜のお仕事。ホスト稼業で夕暮れにはもう部屋には居ない。
久々に、本当に久々に早く帰ってもどうせ亮也は居ない。だから自然と残業も増えたのだ。

「・・・そうか」

つまらない。折角早く帰っても部屋には真琴1人。
しん、と静まりかえった部屋が真琴を受け入れていない気までしてしまって、何だか馴染めない。

沈んだ空気に部屋の中に入る気が無くなってしまった真琴はくるりと着替えもせずに部屋を出てしまった。
何処に向かう訳でも無いが、あの部屋に居るのは嫌。
1人で居る事に苦は無いハズなのに、どうしてだか今日はやたらと同居人を思い出してしまう。
久々に早く帰れた後遺症なのか、それとも、単に疲れすぎて人肌を求めてしまっているのか。
認めたくは無いが確かに亮也は真琴の恋人で馬鹿だし阿呆だし煩いけれど、たった1人の真琴の恋人。居なければ寂しくて当たり前なのだ。

うろうろと街を歩きながら今更ながらに気付いた亮也の存在にふと足が止まる。
真琴がこんなに弱る事は無い。滅多に無い。なのにあの馬鹿はこんなチャンスをどうして見逃すんだ。
今頃仕事をしている亮也にとっては言い掛かりも甚だしいのに半ば本気で亮也に怒りの電話を掛けようかと思ってしまう。いや、いっそ電話を掛けて怒鳴ればすっきりしそうだ。そうだ、そうしよう。
苛立ちと、寂しさと、恋しさが真琴に理不尽な行動を起こさせる。
こんな時に居ないアイツが悪いんだと、携帯電話を取り出した真琴は初めて視線を前に上げて、ぱちりと眼鏡の奥の瞳を見開いた。





「ただいま帰りました〜。真琴、寝てるよな」

朝方。こそこそと部屋に戻った亮也は疲れた身体を引きずってまずはシャワーとばかりに上着を投げた。
夜に輝くホストは朝には萎れるのだ。と言うか休みを挟みながらでも徹夜を繰り返す生活は少々キツい。
それでも愛しい人との生活はすれ違いでも亮也には嬉しいものだ。シャワーの前に寝顔だけれども真琴の顔を拝んでこっそりキスしてから、なんて思い浮かんでそっと寝室に入る。
暗い寝室にはほんの少しの間接照明だけがぼんやりとあって、すやすやと眠る真琴の顔を普段より優しく見せている。ダブルベットの片隅に、1人だけなのに片隅で眠る真琴の寝顔は亮也にとって何より得難いものだ。

「ただいま、真琴」

そおっと囁いて眠る真琴の髪を梳いて、ふと気付く。
愛しい真琴の側になにやら見慣れぬ物体が居るのだ。

「・・・ん?」

何だこりゃ、寂しいからぬいぐるみでも買ったのか。以外と可愛い所もあるんだなー、真琴なのに。
なんてにまにましてしまったのは真琴の側に黒い小さな毛玉があったからで、思わぬ可愛い仕草に亮也はにんまりしてしまったのだが。

「・・・・え?」

普通、ぬいぐるみは動かない。なのに、動く。
それも、すぴすぴと寝息を立てつつ、ころん、と寝返りして。

「な、何だこりゃ・・・」

ぬいぐるみだと思ったのに違う。
思わず手を出してむんずとぬいぐるみモドキを布団の中から取りだした亮也は整った顔を妙な風に歪めて、笑んだ。

「そっか、寂しかったんだな。ごめんな、真琴」

手に持ったのはまだ小さな子犬。
黒くて足が短い可愛いヤツで、すれ違いの生活が寂しさを与えるものだったのかもしれないと、改めて実感した亮也は持ち上げられてもまだ眠る子犬をそっと布団の中に戻してやった。


そうして、真琴が起きるのを待って一匹だけじゃ寂しいからともう一匹の犬を飼いに行くのは直ぐ後の話。
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2007'05.20.Sun
もいっちょお昼寝。お昼寝話は実はいっぱいあったり・・・。




世界がぬくぬくしてきた。
ようやく春も真っ盛り。桜の花が満開でちょっと散りかけで、でも2匹にはそんな花よりも目下ぬくぬくしてきた温度の方が気になるのだ。
だって、もう2匹身を寄せ合ってぶるぶる震えなくても良くなるし、けれど一緒の毛布でぬくぬくするには最高で。

「モコ、お昼寝しよう?俺、そろそろ眠いよ・・・」
「ロコ眠い?モコも眠いからお昼寝かな」

時間は丁度おやつの時間。
昼のご主人、亮也が雑誌を読んでいる側で遊んでいた2匹だったけどそろそろお昼寝の時間だ。
まだまだ眠たい時間が多い子犬な2匹は食べて遊んで寝る、が大切なお仕事だ。

「今日はどこで寝ようね、モコ、ぬくぬくしたいなぁ」
「そうだね。ぬくぬくしたいよね。どこがいいかな」

2匹でぴたりとくっついて大あくびをしながら今日の寝床を探す。
と言っても家の中の全部が寝床にもなる2匹だ。夜は夜のご主人、真琴と一緒に眠るけれど、お昼寝の場所は沢山。お気に入りの場所も沢山だ。
例えばリビングの端っこだったり、キッチンの端っこだったり。
最近はソファの上だったりテーブルの下だったりベッドの下だったり。本当に、どこでもお気に入りの場所にしてしまう2匹にはどこでお昼寝するかもとっても重要な事なのだ。

「ん〜・・・どうしようねぇ。どこがいいかなぁ」
「もう眠いよ、モコ、どこがいい?」

うんうん唸りながらとりあえずロコが眠たい身体をよいこらせと動かしてお気に入りの毛布を銜えてくる。
2匹お気に入りの毛布は一緒に使うから一つで良くて、これは真琴が買ってくれたピンク色のふかふか毛布だ。

「決まらないよう、ロコ、ロコの決めた場所でお昼寝する。もう眠くて・・・眠そうだよう」

ずるずると毛布を銜えて運ぶ間にすっかりモコは船を漕いでいる。
ロコも眠たくて眠たくて今にも倒れそうだけれども、最後の力を振り絞って毛布を運んでる。だから、もうそんなに遠くにはいけない。
今にも眠ってしまいそうな2匹はそれでもぬくぬくなお昼寝の場所を求めて、一番近くのお気に入りにする事に決めた。
もぞもぞと、眠たい目でモコが雑誌を読んでいた亮也の、胡座の膝の中に潜り込む。ぬくぬくしてて気持ちよい。

「お?何だ何だ、おねむか?」

亮也が笑う。
でも、その後にロコも毛布を銜えてもぞもぞと亮也の胡座の中に潜り込み。

「おやすみ、モコ」
「おやしゅみ・・・ロコ」

ふかふかの毛布をしっかりと巻き付けてぬくぬくの場所で安らかに、お昼寝を開始したのだった。

「っておい、俺、このまんまでコイツら起きるまで固まってるのかよ・・・」

亮也の、何処か焦る声も、2匹には夢の言葉で消えていくのだ。
2007'05.20.Sun
春だ!
モコは春が一番すき。だって暖かくなるし、お散歩も楽しいから。
ご飯も美味しいし、おやつも美味しい。良いことずくめの春は一番すきなのだ。
でも、一つだけちょっぴり悲しい事もある。

お気に入りの毛布を銜えてずるずるとリビングを歩く。
そろそろお昼寝の時間だからロコと一緒にお昼寝するのだ。
モコのお気に入りの中でもダントツにお気に入りなロコのお腹。の匂い。
お鼻のさきっちょをくっつけて、くんくんすればとっても幸せな匂いがする。
ロコの匂いを嗅ぎながら眠るのがとっても好きなのに。

「もう春だからくっつかなくても暖かいよ」

がーん。
さらりとソファで寝そべるロコが冷たくモコを見下ろす。
もうお気に入りの毛布を銜えてロコに乗っかる準備までしていたのに、つれない。切ない。

「酷いよロコ・・・」
「だって暖かいよ。ほら、外は晴れてるしお日様も気持ちよいもん」
「・・・ひどい」

うる、とモコの大きな瞳が潤む。
だってだってだって、ロコと一緒じゃなきゃモコは眠れないのに、くっつかなくても良いなんて酷すぎる。
ソファのロコを見上げてうるうるとするのにロコはしらっとモコを見下ろしてふわんとしている黒の尻尾でぱたりとソファを叩いた。

「でも一緒に寝るんだろ?ほら、おいで」
「でも・・・」

くっつかなくても良いなんて言うロコはキライ。
そんな気持ちで恨みがましく見上げていればロコがふわりとソファから降りてモコの前に座った。

「何でそんな顔してるの?一緒に寝ようって」

そうして、ぺろりとモコの頬を舐めてくれる。
でも、一緒だけじゃイヤなのだ。一緒で、くっついて、ロコのお腹をくんくんしなければイヤなのだ。

「だって・・・ロコ、モコにくっつくのイヤなんでしょ?」
「別にイヤなんて言ってないのに」
「言ったよう。毛布だって持ってきたのに。ロコのお腹にくんくんしたいのに」
「またくんくんするつもりだったんだ」

ロコが苦笑する。でもモコは悲しい気持ちのまま、耳は元から垂れているけど、尻尾もへたりと沈んでしまう。
そんなモコにロコは鼻をモコの首にふんふんさせてぺろりと舐めてくれた。

「しょうがないなぁ。でも暑くなったら毛布はイヤだからね」
「・・・くっついても良いの?」
「うん。だから一緒に寝よ」

嬉しい。単純なモコの尻尾はふりふりと動き出す。

「じゃあ、お腹もくんくんして、いい?」

じい、とロコを見つめればちょっとだけロコが微妙な顔になる。

「・・・ダメ?」

またモコの瞳がうるうると涙をためる。一番のお気に入りなのに、ダメ、なんて言われたら泣いてしまう。
尻尾はふりふりしてるのに瞳は泣き出しそうなモコにロコは小さく溜息を落としてモコが持ってきた毛布を銜えた。そうして、ソファの上にひらりと乗る。

「いいよ。毛布でくっついて、お腹もくんくんして、いいよ」

何だかんだでモコの泣き顔には弱いロコだ。モコの返事を待たずに毛布をソファの隅っこにセットしてモコを呼んでくれる。

「ロコ大好き!」

だから嬉しくてソファと、その上のロコに飛び乗れば同じ大きさのロコがぺしゃりと潰れてしまう。
モコの下敷きになって、でもロコも嬉しそうに笑ってくれる。

「俺もモコが好きだよ」

そうして、にこにこ顔のモコの鼻先にちゅっと口付けしてくれた。
2007'05.20.Sun
モコはロコと違って月に一回散髪が必要な子だ。
長い髪にふわふわカールの毛を維持させるのはそれなりに大変で。だからモコは月に一回、モコの居たペットショップにお出かけする。
もちろんロコも一緒だけれども、月に一回のお出かけがあるのだ。

「モコ、そんなに伸びてないよね?」
「でもご主人が行くんだって」
「そっかぁ」

今日も二匹仲良く、ぴたりとくっついてロコがモコの髪の毛をくしゃくしゃにしながらじゃれていた。
けれど昼のご主人、亮也はそんな二匹を優しい瞳で見つめていたのに唐突に二匹まとめて持ち上げてケースに入れられてしまった。
わんこ用のケースは本当は一匹で入るものだけれども、ロコとモコは二匹一緒が当たり前。むしろ一匹でなんて離れ離れになったら寂しくて泣いてしまうのだ。

だから二匹はゆらゆら揺られながら亮也に運んでもらってペットショップにたどり着いた。
ペットショップには沢山のワンコやニャンコがいる。
種類も沢山で、今日はケースから出た途端に大きな銀色の塊に懐かれた。と言うか飛びかかられた。

大きな大きな、ロコとモコを足してもまだ大きい身体に、びしりとした格好良い立ち耳。
種類はシェパードと言うらしいコイツはドンって名前のワンコでペットショップで飼われているヤツだ。

「モコ!久しぶり〜。今日もかわいいね。ずっとかわいいね。ほんっとかわいいね」

会った途端にこれだ。
思わずロコのこめかみにぴしりと青筋が浮かんで、ついでに手もでる。
ばしっと。ドンの大きな頭に突っ込みを入れてみた。

「痛いよロコ、今日もロコが一緒だー」

でも大きな頭は頑丈で、その中にはほんのちょっぴりしか脳みそが入っていないらしい。
叩かれたのに今度はロコにじゃれついて、側に居たモコも一緒にドンの大きな頭に押されてころんと転がってしまう。

「くすぐったいよ、ドンちゃん」
「やめろよ、転がっちゃうじゃんか、ドン」
「だってモコ可愛いんだもん」

いや。最初にじゃれついたのはモコじゃなくてロコなのだけれども、すでにドンの頭にはモコしかいない。
だって、ドンにとってモコは初恋の子。
同じペットショップで一目惚れしてずっとずっと可愛いなぁ、って思っていた子なのだ。
なのに気付けばモコは居なくなっていて、でもしばらくしたらまた戻ってきてくれて。
まあ一緒に黒い子がいたのはドンにとってはあまり気にならない事なのだけれども。

「もう!ドンは大きいんだからモコも俺も潰れちゃうだろ!」
「だって〜」

ころころと転がっているばかりでは先に進まない。
無理矢理大きな頭を押しのけてロコがモコを救出すれば、ようやくペットショップのお姉さんがドンを持って行ってくれた。
相変わらず格好良い見かけの割にアレなワンコだ。

「大丈夫?モコ?痛くない?」
「ん、モコは大丈夫だよ。ロコは?髪の毛くしゃくしゃになっちゃった・・・」
「俺は大丈夫だよ。あーもう、モコくしゃくしゃになっちゃった。早く綺麗にしてもらおうね」
「うん」

お互いに髪の毛を整えあってにこりと笑む。
仲良しさんな二匹はこのペットショップでもとても有名で、モコがシャンプーすればモコだって一緒にシャンプーなのだ。
髪の毛を切るのはモコだけだけれども、カット台に上がる時だってモコの側にはロコが居る。
これは最初にモコだけがペットショップに連れてこられてずーっと泣いてしまったからだ。

「シャンプー気持ち良いねぇ。ロコ、あわあわで可愛いよ?」
「それはモコだって」

二匹一緒にシャンプーされて、ごうごうと強い風で乾かされれば二人ともすごく良い匂いだ。
ふんふんと洗い上がったお互いの匂いを嗅いでくすくす笑って、そうして一緒にカット台に連れられていけば、大きなガラスの窓からお店の中がとても良く見える。

「あ、ドンちゃんだ〜」

尻尾を振りながらドンがモコを見上げてすごい笑顔になってる。
ひらひらと手を振るモコをじいと見つめて嬉しそうだ。

「すごい嬉しそう・・・」

いつもの事だけれども、ロコはちょっと呆れ気味だ。
ドンがモコを好きなのは分かっているけれど、アレはライバルと言うにはちょっとお馬鹿で、ロコとしてはもう諦めると言うか、微妙な気持ちになってしまう。
今だってそうだ。モコに手を振られて嬉しいのは分かる。でも、窓に貼り付いて尻尾を振りながらバランスを取れなかったのだろう、そのまま大きな身体がバタンと後ろに倒れるのはどうかと思うのだ。

「ドンちゃん居なくなっちゃったよ?」
「・・・あれは居なくなっちゃったんじゃなくて、後ろに転んだんだよ」
「大丈夫かなぁ」
「全然平気。いつもの事じゃない。そんな心配しなくてもすぐに」

そろそろ毎回恒例の事が起こるだろう。
このペットショップでシャンプーしてもらうと必ずなのだか、モコはともかくロコは心の準備が出来ている。
向こうの部屋から響いてきた、何やら大きな音にロコはモコをしっかりと抱きかかえて、モコはロコの抱きしめられて嬉しくてきゅ、とロコに抱き付く。
すると、バーン!と大きな音を立ててシャンプーやカットの為に仕切られている部屋の扉が、壊れた。
いや、正確には向こう側から押されてドアごと部屋の中に倒れ込んだのだ。

「ドンちゃん!?」
「・・・やっぱり」

そう、ドアを壊したのは大きな身体でドアに体当たりしたドンだ。
ドアを壊したくせに酷く嬉しそうにモコとロコが乗っているカット台にまでわしわしと歩いてきて。

「モコ、遊ぼうよ!一緒に遊ぼう!」
「わあっ!ドンちゃん、ダメだよ、揺れるよ!」
「こらっ、ドン、お前いい加減にしろよな!カット台は高くて怖いんだぞ!」

ワンコ用のカット台は少し高い位置にあるテーブルだ。
普通のワンコは高い所から怖くて降りれないから毛を切るのに丁度良いのだが、ドンの大きな身体で揺らされるとぐらぐらして本当に怖い。
なのにドンは尻尾を振りながらモコを見上げて瞳をキラキラさせている。怖がらせているつもりは全く無いって分かっているけれど、ロコとモコにとっては怖い、すごく怖いのだ。
二匹で抱き合ってぶるぶるしていればペットショップのお姉さんがドンの首輪を引っ張って持って行ってくれた。
いつもの事なのだから最初から繋いでおいてくれればいいのに、と思うけど、モコと遊びたい一心でいるドンだからお姉さんもうっかり放し飼いにしているのだ。

「モコ、大丈夫?」
「うん・・・怖かったよお」

ドンが居なくなってようやく一安心。
ドアはそのままだけれども、ドンは向こうの部屋に連れて行かれて、二人はようやく安心してカットをして貰う事になったのだった。

そうして、向こうの部屋ではウチの可愛い子達に何してやがると毎回恒例の、亮也の雷がドンに落ちていたりする。




>>新キャラ登場!・・・シェパードなのに、なドンちゃんです〜。ちなみに、命名の由来は鈍くさいのドンちゃんです(笑)
2007'05.20.Sun
モコのお気に入りは沢山ある。

まずはご主人様の膝の上。どっかりと胡座なんかしてくれていたら最高だ。
あの狭っくるしい膝の中にもぞもぞと入るのがとっても好き。

それから、ソファの隅っことか、キッチンの隅っことか、お布団の中とか、おこたの中とか。
好きなものが一杯でとっても大変なのだ。

でも、一番のお気に入りはちゃーんと特別にある。

「モコ、重い・・・」
「だってお気に入りだもん!」

よじよじと。窓辺で日向ぼっこをしてるロコの、その上によじ登って、ロコの天辺をふんふんとするのが一番好き。ロコのお腹をくんくんするのも一番好き。
モコの一番は一つでは無いのがミソだ。一番が沢山。とっても素晴らしいじゃないか!
も一つオマケに、モコの重さに耐えきれずぺしゃりと潰れたロコの上でじたばたするのが大好きで、真っ黒のロコの上でぐーすかお昼寝するのが一番好き。
ロコの毛皮がモコの特別。ふかふかで、つやつやで、モコには無い魅力マンサイなロコの毛皮もモコの一番のお気に入りなのだ。

「ロコ、気持ちいい・・・」

うっとりとロコの毛皮に鼻先をふんふんすれば、いっつもロコに怒られる。
でも、ロコの毛皮が一番好きで、それだけは特別で、ロコ全体が、モコの特別なのだ。


すごい短い・・・。イラストに触発されて〜。モコかわいいなぁ・・・。
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